売却の流れ
不動産を売る時、買替える時は、さまざまな手続きが必要です。
まずは、法律や税金、諸費用など、じっくり相談にのってくれる不動産業者を見つけることから始めます。
「何のために売却するのか、買替えるのか」など、売却目的を明確にしておきましょう。
売却に必要な諸費用
売買契約時
- 印紙代(売買契約書に貼付する印紙代)
- 仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税)
引渡し時
- 登録費用(ローンが残っている場合にかかる抵当権抹消などの費用や司法書士手数料)
- ローン諸費用(ローン残金、ローン事務手数料)
- 固定資産税等精算金(引渡し日をもって買主と精算)
引渡し後
- 譲渡所得税、住民税(売却によって譲渡益がある場合にかかる税金)
- その他(引越し費用、境界明示測量費用、地盤保障保険費用など)
不動産業者に「いくらで売れるか」物件調査を依頼し、専門的に助言してもらうのが価格査定です。価格査定では、一般的に3ヶ月程度で売却可能と思われる価格が提示されます。その価格を参考に、お客様が売出し価格を決定します。
- 価格査定を受ける際は、登記識別情報(登記済権利証)や購入時パンフレット、管理規約、建築確認通知書、検査済証、設計図書、固定資産税納付書など、なるべく具体的な内容が記されているものを用意しておきましょう。
- 売買契約のトラブルを防ぐ為に、物件の状態(雨漏り、白蟻の被害、構造耐力上主要な部位の木部などの腐食。給排水配管の故障など)は不動産業者に有りのままを伝えましょう。
不動産の売却を決断したら、不動産業者へ仲介を依頼します。
- 仲介は「媒介契約書」を用いて締結されます。「媒介契約書」は、取引内容や不動産業者との権利や義務などを明らかにし、安全かつ確実な売買の成立を目的とした仲介を依頼するものです。
- 媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。
「専属専任媒介契約」
- 特定の不動産業者に仲介を依頼し、他の不動産業者に重ねて依頼することができない契約です。
- 不動産業者は、お客様に対して1週間に1回以上の頻度で売却活動の状況を報告する義務があります。
- お客様は自分で購入希望者を見つけることはできません。
「専任媒介契約」
- 専属専任媒介と同じ特定の不動産業者のみに仲介を依頼する契約です。
- 不動産業者は、お客様に2週間に対して1回以上の頻度で売却活動の状況を報告する義務があります。
- お客様は自分で購入希望者を見つけることもできます。
「一般媒介契約」
- 複数の不動産業者に重ねて仲介を依頼することができる契約です。
- 不動産業者に報告義務はなく、お客様も自分で購入希望者を見つけることができます。
依頼を受けた不動産業者は、チラシ広告、物件情報誌、インターネット、イベントなどを通してお客様の物件を市場に公開し、積極的に購入希望者を探します。
また、媒介契約の形態に基づいて、不動産業者は売却活動の経過をお客様に報告します。そして、購入希望者が見つかり次第、お客様の物件を見学してもらいます。
売却活動に用いられる主な媒体等
- 業者間広告(不動産流通機構など)
- 掲示広告(現地看板、店舗内外掲示など)
- チラシ広告(新聞記事、新聞折込、ダイレクトメール、ポスティングなど)
- 物件情報誌(市販雑誌、小冊子など)
- インターネット(ホームページ、電子メールなど)
- イベント(不動産フェア、オープンハウス、不動産セミナーなど)
購入希望者は、第一印象でその物件に対する結論を出すともいわれています。少しの手間を惜しまずに、隅々までお手入れをして、物件の商品価値を高めましょう。
また、物件見学の際、売る人が無口や無愛想という態度では、売れるものも売れません。購入希望者との会話のやりとりによって打ち解けた雰囲気を作ることも大切です。すべては、買う人の気持ちになって準備や行動することが大切です。
購入希望者に物件を気に入ってもらえたら、不動産業者は物件価格、代金支払方法、引渡し時期など、購入希望者と契約条件の調整、交渉を行います。そして、契約条件が整えば、売買契約へと進みます。
買主と売買契約を結び、当事者の権利や義務などを明らかにします。
売買契約は、「不動産売買契約書」を用いて締結されます。「不動産売買契約書」は、取引内容や当事者の権利や義務などを明らかにし、安全かつ確実な売買の成立を目的とするものです。売主と買主の双方が署名捺印し、売主が買主より手付金を受領し契約が成立します。
売買契約時に用意するもの
- 登記識別情報(登記済権利証、買主に提示します)
- 印鑑(実印)
- 手付金の領収書
- 印紙代
- 仲介手数料
- その他(建築確認通知書、建築検査済証、建物図面、管理規約、パンフレット、付帯設備の保証書や取扱説明書などを買主に提示します)
契約を締結したら、以後は契約書の記載内容に基づいて権利や義務を履行することになります。義務に違反すると違約金の支払いが必要になる場合もありますので、不明な点は必ず不動産業者に確認しましょう。
売買契約締結後、引越しや必要書類など引渡しの準備をします。
- 物件に居住している場合は、引越しを引渡しまでに済ませておかなければなりません。
- 物件に所有権以外の権利が設定されている場合は、ローンなど残りの債務等を精算しておかなければなりません。抵当権等の登記抹消手続きは、司法書士に依頼します。
残代金の受領と物件の引渡しは同時に行ないます。手付金など受領済みの代金を差引いた残代金等を受取り、必要書類や物件を引渡します。
引渡しの流れ
- 登記申請書類の確認(立会い司法書士に所有権移転登記に必要な書類を確認してもらい、登記申請の代行を依頼します)
- 残代金の授受(手付金など受領済みの代金を差引いた残代金を受取り、領収書を発行します)
- 諸費用の授受(固定資産税等精算金や管理費等精算金などを受取り、抵当権抹消手続き等が必要な場合は登記費用を支払います)
- 関係書類等の授受(鍵、建築確認通知書、建築検査済証、建物図面、管理規約、パンフレット、付帯設備の保証書や取扱説明書などを引渡します)
引渡し時に用意するもの
- 身分証明書(運転免許証、健康保険証、パスポートなど、本人確認ができるもの)
- 登記識別情報(登記済権利証)
- 印鑑(印鑑登録のしてあるもの、実印)
- 印鑑登録証明書(所有権移転登記時に必要、交付後3ヶ月以内のもの)
- 住民票謄本(登記簿記載内容に変更等があった場合、交付後3ヶ月以内のもの)
- 固定資産評価証明書(固定資産評価証明書、固定資産公課証明書、固定資産税納税通知書など)
- 残代金等の領収書
- 登記費用(抵当権抹消手続きが必要な場合)
- 建築確認通知書等(建築確認通知書、建築検査済証、建物図面、管理規約、パンフレット、付帯設備の保証書や取扱説明書など)
- 鍵
- その他(電気、ガス、水道等の精算領収書など)
引渡し後のトラブルを未然に防ぐため、売主を買主双方で、物件の状態についての最終確認を行います。
- 付帯設備及び状態確認書の記載内容と物件の状態との確認
- 隣地との境界の明示
- 電気、ガス、水道の使用方法、故障時の連絡先の引き継ぎ、など